「全国優良畳店 35事例集」

 

畳店No.35 ※期間限定公開

宮崎県宮崎市 (株)畳ショップイマムラ

代表取締役社長 今村 公彦様

 

<タイトル>

一般個人客のシェア拡大 千里の道も一歩から

 

<発表内容>

宮崎市の人口は45万人で、商圏は30分圏内としています。

 

西インターから10分ぐらいで、近くにはプロ野球ソフトバンクホークスのキャンプ地があります。

 

当社は昭和22年、祖父が鹿児島から宮崎に出てきて畳屋を創業しました。

 

早くから看板や車を導入していました。

 

昭和52年、父が32歳で店を継ぎ、新しく工場兼住居を建てました。

 

私は2歳からそこに住みました。

 

平成元年に道路拡張で、国道10号線沿いに500坪の敷地に、150坪の工場を建てて展示場も作りました。

 

平成18年支店を展開しました。その建物を緑色に塗ると好評でした。

 

平成19年、本店建物も同じ緑色に塗り替えました。

 

畳屋らしくない色にしましたが、目立つようになり展示場にも人が来るようになりました。

 

 

私は平成24年1月代表取締役に就任致しました。

 

売上は1億3000万円、畳の割合は85%で業者売上70%、個人売上30%となっています。

 

社員10名と父母と妻を入れて14名体制です。

 

本店の設備は、両框裁断機・両框縫機・両平刺機・両返縫機・ふすま框乾燥機などで、支店はミニラインを入れています。

 

車両は全部で8台、ホロ付き軽トラック、ふすま専用ワゴン車を持っています。

 

私は昭和50年生まれの37歳で、3代目になります。

 

経営を勉強したいので、経営学科のある熊本の大学に行きました。

 

卒業後実務を学びたいと思い、ホームセンターに就職しました。

 

ここで3年間家具の配送手順・段取り・マナーを学びました。

 

店舗では接客対応・商品の見せ方・在庫管理の方法・注文伝票の書き方、そして幅広い商品知識を学ぶことが出来ました。

 

この経験は今でも役立っています。

 

退職前は半畳の置畳が飛ぶように売れており、品切れになっていました。

 

インターネットが普及し始めた頃で、20年先の買い物スタイルを考えると、「小売店が尻すぼみになるのではないか」と危機感を持っていました。

 

それで実家に戻る決心をしたのです。

 

当時の畳店が厳しい状況であるのは判っていましたので、退職にあたりかなり悩みました。

 

成13年から福岡の畳店で1年半勉強させて頂き実家に戻りました。

 

私が戻ってからの10年間で会社内の仕組みや仕事内容を少しずつ変えていきました。

 

平成13年と平成23年の売上は、1億3000万円前後でほぼ横這いですが、内容は大きく変わりました。

 

10年前にふすま・障子を自社施工に切りかえて、職人を入れました。

 

ふすま・障子の売上が600万円増えました。

 

畳の枚数は減少しましたが1枚あたりの単価が上がり、100万円増えました。

 

これはヘリ無畳の個人客が増えたためだと思います。

 

構造改革を実施して良かった事は、原価を意識した事で材料費が減少しました。

 

製造効率の見直しで残業代が減り、人件費が下がりました。

 

時間の余裕が出来て営業をする時間が増えました。

 

その結果利益が増え、昨年の決算で過去最高益を出す事が出来たので古い機械を入れ替えました。

 

5年前からラインを順次入れ替えてきましたが、これで全て最新の設備になり、製造スピードと精度が向上しました。

 

3年前に両框裁断機を入れてから、ヘリ無畳の精度も大幅に改善されました。

 

 

広報とサービスでは「お客様らくらくシステム」が好評です。

 

畳の引き上げ時に床下を掃除します。

 

工場では畳ブラッシング機で泥落としを行い、敷き込み時には清掃を行っています。

 

お客様は家具の移動を含めて、一切何もしなくてよいシステムです。

 

当社の軽トラックは同じ看板を付けており大変目立つ広告になっています。

 

ホロ付きなので雨の日でも安心して配達が出来ます。

 

野立看板を4箇所立てていますが、トラックと同じ内容に変更予定です。

 

畳表見本帳と価格表を作りました。

 

説明書きには種類、ランクを判り易く書いており、お客様は安心して選んでいただけます。

 

展示場には畳見本を並べ、メーカーのカタログも備えています。

 

来店して頂いた方には判り易く説明出来ます。

 

注文伝票も作成しました。

 

以前は地図のコピーに注文内容を書いていたので、トラブルが起きていました。

 

また、取扱説明書を作りお渡ししています。

 

梅雨時のお手入れ方法を、前年の9月から今年の4月までのお客様にお送りしています。

 

LED看板を設置し、日付時間・季節毎の内容を流しています。

 

古ござを店頭でお配りしており、国道沿いなのですぐに無くなります。

 

お礼に野菜を持ってきて下さる方もいらっしゃいます。

 

アンケートもお渡ししていますが、良い事しか書いていただけません。

 

更に当店オリジナルの畳表を作ってもらいました。

 

見た目が違うので奨め易いです。

 

ホームページ、メールアドレスも「115349」(いいござ敷く)で統一しています。

 

FM放送を使いラジオCMを週2回流しています。

 

年2回は生放送で大変緊張します。

 

DMは1月と6月に送付しています。

 

いろいろ実施している事は、毎年見直しを行っています。

 

例えば、取扱説明書はお客様の声を反映して作り変え、ページ数も増やしました。

 

いろいろな勉強会に参加して学び得たポイントは次の通りです。

 

・目立たせる

 仕事に対する姿勢には自信があるから

 

・情報を活用する(客・インターネット・パンフレット)

 顧客情報を有効活用(裏返しDMなど)

 

・真似をする(同業者以外も)

 お客様らくらくシステム・ホロ付き軽トラック

 注文伝票・取扱説明書・看板デザイン

 

・お金をかけるポイントを見極める

 看板・車・設備(スピード仕上がり)

 研修(自己啓発・マナー・社員教育)

 個人客に対する自社の考え方

 

・技術が一番

 プロが見てもおかしくない仕事をする

 スキマ段差凸凹補修に力を注ぐ

 

・困り事を減らす

 急ぐお客様対応、カビや虫を気にする方への対応

 施工時期、掃除手入れに関しての説明

 自社で出来ない場合は工事業者紹介

 

・目指すところは口コミの受注増

 お客様に安心して頂き感動する事によりリピート客を増やす

 過去2年間の売上比率はリピート客31%、

 紹介22%、チラシ12%、その他35%

 

利益を増やす要因として、適正な価格できちんとした対応をすることですが、自社のレベルをどれだけ上げられるかにかかっています。

 

個人客はやり方次第で利益を上げられます。

 

安い仕事を大量にするのも一つの方法ですが、イマムラの価値を判ってもらえる様な仕事をしています。

 

社員のヤリガイも出ています。

 

利益を伸ばす事により販売促進費、アフターフォロー経費にあてています。

 

個人客比率を50%まで上げたいと考えて努力をしています。

 

私はこの10年間、社内システムを良くする事を中心にやってきましたが、代表になってからは、仕事を貰える仕組み作りに努力をしていきたいと考えています。

 

業者でも個人でも「少し高くてもイマムラに仕事を頼みたい」と思って頂ける様な会社にしたいです。

 

社員がヤリガイを持って働ける会社にします。

 

そして地域の皆様に貢献したいと思っています。

 

※平成25年1月24日「熊本展示会&セミナー」発表内容より